隠れオタク黙示録

まだまだ日の浅い隠れオタクな私がリアルの人達にバレずにこれからのオタクライフをインターネットで発信し、半隠れオタクを満喫するブログ。

 

ハチナイ(ラノベ)北風に揺れる向日葵 感想 地蔵とエレナがメイン。部活結成 当初の物語。小説

八月のシンデレラナイン 北風に揺れる向日葵 (ファミ通文庫)

主人公、八上浩太。

とりあえず『地蔵』と呼ぶことにする。 

f:id:Baskerville:20190519205901p:plain

 

野球の熱を抑え殺す地蔵と、野球の熱を滾らせる有原は同い年。

中学時代は地蔵が投げる試合のテープが擦り切れるほど見返す野球星人、有原を虜にさせる地蔵とは一体…。河北に、またいつものビョーキ発祥してると言われる程に地蔵(の野球)に虜だ。

そんな有原も中学最後の試合に臨む。男子野球は盛んだが、女子野球部は…。

有原が活躍しても、全国に数少ない女子野球部員になる未来は開けなかった。

 

八月のシンデレラナイン 北風に揺れる向日葵 感想 ↓

f:id:Baskerville:20190422065323p:plain

地元から離れ、野球からも遠ざかるように海から近く小高い丘の上にある高校、咲浜高校に進学した地蔵…ふとした瞬間、いつでもどこでも野球を思い出す。

今まで野球を中心に回っていた生活が真っさらに、無くなってしまったのだからしょうがない。無意識に野球を思い出し、また無理やり突き放し繰り返して…

ゲーム以上に地蔵のケガと心情に触れられており、駆け足で読んだゲームより更に深く『地蔵』という男に感情移入出来ると思う。そして地蔵という男の魅力を知る事が出来る。

野球をやりたくても出来なかった二人、諦めた二人が出会った。

後に河北から話を聞くと、諦めた有原は地蔵に自分の夢を託していたらしい。

だから、地蔵の現状を知った後の有原は、地蔵に託していた夢を地蔵の夢ごと持ち去り、野球部を作ろうと奮起する事となった。うーん、大正義ヒロイン。

監督を引き受けた地蔵有原と有原大好きな河北、ビラを拾ってくれた野崎、兄キチのすずわかの5人が揃い、この5人を中心として話が進む。

 

とにかく最初は部員が集まらない。

奔走する野球部(仮)を応援しつつ、時季外れの転校生がやってきた。ロシアとのクォーター、エレナ・スタルヒン。そして、すかさず勧誘する有原。

 

f:id:Baskerville:20190519205857j:plain

引用: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000069.000019676.html

ここでの見どころは、野球の魅力をエレナに伝えるのだが全て(感動)で締めくくる語彙力のなさ。それか、ただ単純に野球星人・有原が常に感じていて、一番最初に感じる言葉がそれなのかは分からない。

つまり、有原が考えている事は常人では理解出来ないだけかもしれないのだ。

野球星人同士のやり取りならば、「ほう…」と理解出来るかもしれないしね。

 

そんなだがエレナには野球の知識があった。

何でもロシアで野球とは、雪を投げて遊ぶスポーツ全般を指す言葉らしい。(本当かどうかは知らんが)

それにしても、エレナちゃんの「野球星人にするぞって脅された」の下りが素晴らしい。初対面で有原の野球に対する熱量を見抜き、的確な言葉で表していた。

エレナはいつも影が見え隠れ。作中でも書かれている通り、正しく有原が太陽でエレナは月…二人の対照的な容姿からも、それを強調している。

 

f:id:Baskerville:20190519205851p:plain

元は選手だった地蔵、それが何も準備なく監督となった。

だから今まで選手としてプレイしていた時に、気にもしなかった細かな所に目をつける。部員の練習量の事や、バットの重さについてもそう。

個人的には意外だったのだが、地蔵は繊細な感性を持っていて気配りが出来る人間なのだと思った。とにかく、監督しての使命もとい、新人監督としての苦悩が良く書かれている。

そして突っかかってきた男子野球部員。

本当に高1なのかと、いかがわしい大人な対応を見せた地蔵に驚きつつも、河北がカーブを捉えて打ち返したのは痛快だった。

アドバイスを送り、勝ちに貢献した地蔵へお礼を言う時には「ありがとう。浩太くん」(八上浩太)何て名前呼びするものだから、一瞬フラグを期待したが彼女はレズっちなのだから、そんな事はあり得なかった…とりあえず、これからは浩太地蔵とする。

 

f:id:Baskerville:20190415070257p:plain

流れは違えど向日葵が咲くグラウンドを、ラノベでも手に入れた。

すずわかはもちろん、お婆さんや地蔵の気持ちがとても丁寧に書かれており、どんどんのめり込んでしまう。アニメ第2話は本当に綺麗に収まっていたと思う。すずわかの過去にも触れたりしてね。

ラノベは地蔵がいるからこそ+αで、すずわかの思いを更に引き出せたのだと思います。「言葉より行動が大事」ってね。

 

エレナの心にある野球に対する不安を少しずつ小出ししながらも、ここで東雲龍 襲来。

エレナのまだ心情が不明な件を除けば、順風満帆に突き進んでいた女子野球部…それが、しのくもの畜生成分によって『ピリッ』と引き締められた。有原、地蔵、エレナ、それに他の部員にマウントを取っていく しのくも。

ゲームで畜生って分かっていましたが、こう文字制限が無いラノベで長くマウントを取られ続けていると、読んでいるこっちまで頭がおかしくなりそうだ。

けれど、そんな彼女のおかげでエレナは再びボールを握り、マウンドへ上がった…勝敗は……

そして嵐のように、やって来た しのくもはどこか満足げに去っていくのだった…。

しのカス…

 

対決を経てエレナの明かされた過去と、これからのこと。しのくもが思わず目を見張る豪速球を投げ、有原達と野球で繋がる事を喜ぶ頼もしい仲間が増えました――。

 

ラノベ版は、まだまだ宇喜多さえも入部していない最初の最初のお話。

部活結成組が主となり、地蔵とエレナにスポットライトを当てて進行する。

ゲーム内では念話で気持ちを伝える地蔵だから、ベラベラ喋る彼に驚きつつもゲーム内では知り得ない監督しての苦悩や部員を見守る姿が印象に残ります。それと同時に、地蔵の魅力を再認識し、派手な活躍は無いものの、充分に主人公の器を持ち得ている事が知れただけでも収穫でした。

エレナが去った時は切なさを感じ、正しく有原の逆となる『月』といったヒロインだったと思うし、エレナの人気ぶりも納得。

 

原作のストーリーから辿ると、パラレルワールドを思わせるような内容だったと感じました。が、紛れもなく有原達が辿った歴史の1ページ。

過去のイベントでは再会したストーリーもあるそうですし、復刻してくれる事を切に願います。(アニメ新規)

 

f:id:Baskerville:20190519205901p:plain(エレナのガチャを復刻して欲しいとアカツキに伝える)

f:id:Baskerville:20190519205901p:plain(何なら課金の準備も出来ていると伝える)

2019年5月現在。

www.kakure-otaku.com

 

 

では読んで頂き、ありがとうございました。